カービィくんのおへや

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「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」を観て思ったこと

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今年もポケモン映画の季節が来たということで、鑑賞してきました。
(以下の記事には多数のネタバレ要素が含まれています)


↓昨年

昨年はいわゆる原点回帰のスタイルを打ち出し、現在放送されているTVシリーズサンムーンとはリンクさせない新機軸のストーリーとして展開させた。
内容はTVシリーズ初期(赤緑)をベースに、様々なエピソードをミックスしオリジナルのストーリーとして金銀の看板ポケモンであるホウオウをモチーフに掲げており、ポケモン現行世代ではなく元ポケモン世代にターゲットを絞った作品となりまさに湯山監督の集大成とも言うべき映画であった。

今年は監督が劇場版始まって以来の変更となり、TVシリーズXYで監督を務めた矢嶋哲生氏が監督に、さらにアニメーション担当にWIT STUDIOが加わるという大きな変革が起こった。
しかしストーリーは昨年同様独立したオリジナルストーリーであり、今年も金銀の看板ポケモンであるルギアをモチーフにしている。

ストーリーとしては明確な悪意を持った言わば黒幕と呼ぶ人物が登場せず、前作ではストーリーに一切関わりのなかったロケット団が物語を動かす役目となっている。しかし、明確な黒幕が存在しないが故に盛り上がりに欠ける点は少しあった。
またルギアの登場シーンもラスト1~2分程度で、ルギアの伝説などを語る割には非常に登場シーンが少ないと感じた。前作は「ホウオウを目指して旅をする」のがテーマであった為、ホウオウがラストに登場するだけでも問題なかったのだが…
今回はみんなの物語と銘打っているだけあり、サトシよりその周りのサブキャラクターを主軸にストーリーが展開する。
サブキャラクターには一癖も二癖もあるキャラが多く、それぞれの葛藤や抱える悩みが一つずつあるのだが、すこし掘り下げ方が勿体ないキャラクターも何人か存在した。
特に野沢雅子氏が演じるヒスイ。彼女はポケモン嫌いという設定なのだが、その理由がなかなか明かされず、終盤に少しだけ明かされるだけとなっている。(また、このシーンは前作に引き続きポケモンの死が描かれている)掘り下げをもう少し丁寧に描くことで葛藤を表現できたのではないか?とも感じた。
バトルシーンは躍動感があり見ていてかっこいいシーンもあったが、ゼラオラ戦を市長ナレで割愛したのは少し残念だった。
とはいえ、ストーリー軸としては人間の自然破壊と過ちという強いメッセージ性もあり、そこはとても伝わったと思う。
ストーリー構成としてはかなり大人向けのストーリーだと感じた。(前作もマーシャドーの下りなど複雑な場面もあったが)
感動するシーンは前回よりは明らかに減っている(というより前作が多すぎ)。カガチとウソッキーのシーン(ウソッキーが捨てたモンスターボールを渡すシーンやウソッキーを相棒と呼ぶシーン(このシーンはゲットレースのサトピカが伏線だった?)など)が特に泣けるシーンだったかなという印象。またトリトが自分の思いをぶつけるシーン(このシーンの何がいいって、ラッキーが背中に手を置くところが信頼関係を表しているようでまた感動を誘うってところなんですよマジで)もとてもよかった。
またポケモンのしぐさや動きが前作に増してかわいいと思う。ラッキーさん尊いリングマメタモン可愛すぎかよ

WIT STUDIOが参加したことでCGの質も一層進化し、映像と上手く調和しているのはとても評価されるべき点ではないだろうか。背景美術としては今までで一番綺麗なCGではないだろうか?サトシの顔がSMともXY以前とも前作とも違う顔になってるけどそこまで違和感はなかった。(個人的に違和感しかないSMで顔が変わるのに抵抗がなくなってしまった可能性もあるが…)むしろキャラ全員と違和感無く溶け込んでいる。むしろ今までのサトシの顔が大人すぎたのかもしれないとも思う。
最大の変更点といえば、例のBGM(タイトルバックBGM、前作ではホウオウ出現時に使用)がついに消滅してしまったという点だろうか。最後まで流れなかったのには非常に違和感を感じた。またナレーション構成も変化しており、前回と同じくラストにナレーションが入るが、途中まで「生き物」と呼称し、最後に「その生き物とはポケットモンスター、縮めてポケモン」という〆になっている。

ここまで内容を列挙してみたが、やはり前作がまとまりすぎていて、それには及ばないというのが正直な感想だと思う。
しかし、流れの内容としては悪くなく、監督が変わったことを感じさせない内容だったとも思う。
監督が変わりどうなるか心配していたが、今はこれからのポケモン映画がどう変わっていくのか楽しみになっている。

が、しかし!次回作は「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲EVOLUTION」と本編終了後に突如発表された。一番盛り上がったのは本編じゃなくてこっちだったかもしれない?
リメイク新作どちらであれど、過去作であるミュウツーの逆襲を名乗るという重みを十分に捉えて制作してほしいと思う。来年の公開が今から楽しみだ。